ウルミラ星人を探せ！ ミッションの巻

ロッテやらDoCoMoやらドラマやらの話題で松ケンファンが総盛り上がりのこんな時に
あまりに亀さんの記事になりますが、
先日、てか、すでにだいぶ時は流れてしまいましたが、
ウルトラミラクルラブストーリーのロケ目撃情報を元に、
ロケ地巡りの旅をしてきました。
詳細＆正しくは、

うるわしカメレオンさんの　天使のお通り　　松をめぐる冒険

知的で優しいお京さんの京の空　ウルミラ蓬田～♪　

を、お読みいただくとして、
ミジンコのかなり周回遅れのしかもかなりうちわ向けのレポ（とも言えないかも）でも
仕方ないから読んでみてやるか～
と思われた方だけお読みいただければ幸いです。
続きに隠してありますので、よろしければどーぞ。
ただし、このブログ上手く続きに隠れない事も多い　ので、
その際はご勘弁くださいませ　o(_ _)oﾍﾟｺｯ

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第一報がもたらされたのは２００８年９月、まだ夏の名残りが残る暑い日だった。
某国某所の山奥で密かに活動を続けていたある秘密地下組織の支部は、思いがけないその報せを受けて、にわかに慌ただしさを増していた。




何やら奇妙な格好をした３人が小さなノートパソコンを囲んでいる。

「本部から正式に連絡があった。例のウルミラ星人がどうやら９７％の確率で日本国A県にいるらしい」
威厳のある声でそう言った黒いタイツ、黒いマント、黒いマスクといった、傍目にはショッカーにしか見えない黒ずくめの男がリーダーらしい。
黒ずくめの男は右腕を振り上げて叫んだ。
「A県と言えば！我らのテリトリーである！思い起こせば、この支部の特捜戦隊隊長に任命されてはや幾年。手柄の一つも立てずこのままこんな僻地にうずもれてしまうのかと思ったが・・・。天は！天は我らを見放さなかったああああーーーーー！！！！」
このリーダー、けっこう感激屋さんのようである。
「ブラック隊長！めんどくさい事はいいから早くホシの手配写真見せてよ！」
赤いタイツ、赤いマント、赤いマスクといった赤ずくめの女がいらいらしたように声を張り上げた。
どう見ても、隊長！と呼ばれた黒ずくめの男よりも、赤ずくめの女の方が態度がデカイように見えるのは気のせいか。
ちっ！
と、ブラック隊長が思ったかどうかは定かではないが
「おお・・レッド隊員・・・。それもそうだな。すまぬ！」
何故、そこで謝る？？
どういう訳か、ブラック隊長はレッド隊員に頭が上がらないようである。
その時、そんな２人の間に流れる微妙な空気に全く気がつけないような脳天気な声が響いた。
「隊長！ウルミラ星人て・・・あのウルミラ星人だべが？」
と、尋ねたのは、黄色いタイツ、黄色いマスク、黄色いマントのガタイのいい女だった。
日本国A県に派遣されてから半世紀以上。黄ずくめの女はA県に馴染みすぎてA県語しか話せなくなったらしい。全身にまとったその色からして何やら痛々しいオーラが漂っている。
ブラック隊長は、KYイエロー隊員の言葉に救われたように、急いで威厳のある声を出した。
「おお！そうだとも。イエロー隊員。よく気がついたな」
フツーは気がつくよ！
と、心の中で突っ込みながらレッド隊員は横目で隊長を見たが、あえて口には出さなかった。『隊長』の威厳はとりあえず保たれねばならないのである。
ブラック隊長は、呑み込みの悪そうなイエローに噛んで含めるように、威厳のある声を保ちながら説明を始めた。
「そう。あのウルミラ星人だよ、イエロー。ウルミラ星を含むよもぎ座系銀河はおろかM７８星雲をまたにかけてあらゆる女子をSATSUGAIしまくり、星霜間指名手配中の容疑者のウルミラ星人だ！あのウルミラ星人が我らが支部のあるA県に現われたのだ！これを見てくれ。さっき本部から送られてきた手配写真だ」
隊長の指がパソコンの画面を指差した。
そこには数人の容疑者の写真があった。
組織がボンビーなのであろうか。ずいぶん手抜きな手配写真のように思えるが、見るからにワルな感じのやつらが並んでいた。 




　

ブラック隊長の説明は続いた。
「一見８人の容疑者がいるように見えるが、これは　ぜ～～～～んぶ、たった一人の変装なのだ！これではまるで別人じゃないか！宇宙広しと言えども、こんなにうまく化けるやつはあのおぞましい寄生獣くらいのものだ。私が集めた情報によるとカメレオンやらイタコやらと呼ばれているらしい。あまりにも上手く変身するのでこれまでどの星でも発見が困難だったのだ。ようやく発見出来ても、すぐに違うものに変身してまんまと逃げおおせてきた！だが！やつは今９７％の確率でここA県にいるのだ！！いよいよわが戦隊の実力を本部に認めさせる時が来たのだ！！！！思い起こせば早幾年、このままーー」
「タイチョーーーーーッ！！」
感激屋さんブラック隊長の説明が続いているというのに、またもやKYな叫び声をあげたのはイエロー隊員だった。
「このホシだばってさ、見つけたら捕獲してもいんだべが！？」
その目には、あろうことかハートマークが浮かんでいる・・・。
「なにを言ってるんだイエロー。私たちのミッションを忘れたのか！？」
「え～？ミッションだのってあったんズ～？」
イエローの目は容疑者の写真にくぎづけである。
ブラック隊長は思わず肩でため息をついたが、気を取り直したように姿勢を正し、イエローを指差した。
「イエロー隊員！私たちのチーム名は何だ！？言ってみたまえ！」
「えぇ～？たしかぁーーー」
イエロー隊員は、容疑者の写真から目を離さないまま可愛らしく首を傾げた。
今度こそブラック隊長の唇から、ちっ！と舌うちが漏れた。
いい歳こいて女子高生のようにブリブリしやがって！
と、ブラック隊長が思ったかどうかは定かではないが、ブラック隊長は拳を振りあげて叫んだ。
「我らのチーム名は何だ！？言ってみたまえ、レッド隊員！！」
名前を呼ばれたレッド隊員はめんどくさそうにぼそぼそ答えた。
「特捜戦隊サガスンジャー」
「そうだとも！！我らのチーム名、それは！特捜戦隊サガスンジャー！！！」
満足そうに頷いたブラック隊長であった。
「そういう訳だから、イエロー！我らのミッションは断じてホシの捕獲ではないのだっ！」


そう。
彼らは某秘密地下組織A県支部の特捜戦隊なのであった。
特捜戦隊と言えば、かつての先輩チーム、デカレンジャーのように、特別捜査を担う精鋭部隊かと思っちゃうが、彼らはどうやらそうではないらしい。
彼らに冠されたチーム名は

特別　捜索（そうさく）　戦隊！

あらゆる捜索のためなら命をかける戦士たち！
その名も

特捜戦隊サガスンジャー！！

探すことにかけて、彼らの右に出るものはいない。
普段は地味にコツコツと、八甲田山にキノコを探しに出かけて行方不明になったじいさんばあさんを捜索してるふりをして、途中の道の駅や食堂で美味いものを捜索しているらしいのだが、そんな彼らにとって、地球外生命体とは言え、人型のものを探すなんてことはまさに天下の一大事。黒船が来たから弁当持って見に行くべ～！状態。泣きっ面にはちみつたっぷり。豚バラに新米。犬も歩けば他人のボーナスくわえてくる。くらいなおいしさであった。

「もう一度きこう！われら特捜戦隊サガスンジャーのミッションは何だ。言ってみたまえ」
またまた威厳たっぷりにブラック隊長が尋ねた。
なにさ、偉そうに！
と、レッドが思ったかどうかは定かではないが、レッドは写真にくぎづけヨダレまで垂らしてるイエローの腕を強く引っ張った。さすがにイエローも場の空気に気がついたようだ。
2人の隊員は口をそろえて叫んだ。

「ウルミラ星人を探せ！ですね！」


「おお！そうだとも！レッドとイエロー、君たちにしては上出来じゃないか！はっはー！」
機嫌よく笑った隊長は、ご機嫌のままつけくわえた。
「私は今、他の重要なミッションを抱えていて忙しい。資料はすべて私が揃えておいた。ただ、君たちだけでは心もとないからあと２名ほどメンバーを召集しておいたがね。彼女らは組織でも１・２・３．４．GO～！を争う優秀な隊員であり、尚且つ、A県語を解する希少な隊員である。まあ、なんとか４人で頑張ってくれたまえ。へば！！」
隊長はそう言うなり踵を返すと、瞬く間にシュタタタタターーー！と姿を消してしまった。
さすが隊長。神のような早業である。


残されたレッドとイエローは顔を見合わせ、ほくそ笑んだ。
「あのウルミラ星人だって〜」
イエローの台詞にはなぜかハートマークがついている。ますます痛々しいオーラが漂う。
「２人が到着したらすぐに作戦会議よ！」
レッドの目にも怪しげな光が浮かんでいる。
たとえ星霜間指名手配中の極悪人だとしても、有名人のこととなるととてつもないエネルギーを発揮するのがレッド隊員なのだった。